かなり前の話ですが私、映画の「アマデウス」を観てからかなりのモーツァルトファンになりました。
まあ映画の内容は脚色されている部分も多分にあるらしく、話半分程度に捉えているし、
他にも好きな作曲家やアーティストもいます。
それでもモーツァルトの楽曲は別格な気がしていて、
特にディヴェルティメントは流した瞬間に周囲の空気が一変するように感じます。
ところが巷でチラホラ耳にするのが、
モーツァルトの音楽を流すと集中力が出て勉強がはかどるとか、頭が良くなるとか胎教に良いとか、
なにやら気分や好みだけの問題ではないような話。
これをモーツァルト効果というのですが、
モーツァルト好きとしてはこれは見逃せません。
個人的にはモーツァルトの曲をかけると
気分が良くなるのに変わりはないのですが、果たして本当に頭も良くなるのでしょうか?
もしそうだとしたら儲けもの(・∀・)
うっすらと期待をしながらのぞみましょう!
とりあえずせっかくモーツァルトに関する話題なので、
BGMに流しながら読んでみてはどうでしょう?(^ω^)
ピアノ協奏曲 第21番 第2楽章
天国から贈られた曲と言われても納得してしまう美しい曲で私のお気に入りです。
これだけ美しいと、何らかの効果があってもそうかも知れないと思ってしまいます。
モーツァルトの音楽を聴くと頭が良くなる!?
モーツァルト効果で真っ先に挙げられるのが、こちら、頭が良くなるという効果です。
音楽を聴くだけで頭が良くなるなんて、なんてオイシイ話でしょう。
そんなので勉強ができるようになるのなら、
たとえモーツァルトではなくジャイアンの歌だったとしても流し続けます。
モーツァルト効果の元となった実験
このモーツァルトで頭が良くなるという説ですが、
そもそもは1993年にアメリカの心理学者フランシス・ラウシャーが
36人の学生を対象行った実験が元になっています。
彼ら学生を3つのグループに分け、それぞれ10分間、
・モーツァルトの曲を聴く
・リラクゼーション曲を聴く
・静かな場所で過ごす
という過ごし方をしたあと、IQテストをしたそうです。
するとモーツァルトの曲を聴いたグループの空間認知の結果が良かったとのこと。
ただし、この効果は10分~15分しか持続しないそうです。
さらに1998年、ラウシャーは次はラットを対象に迷路を抜け出す実験をしました。
するとやはりモーツァルトを聴かせたラットは、
別の音楽を聴かせたラットよりも迷路を早く抜け出すという結果になりました。
そして話題に
短時間とはいえ、頭が良くなるというラウシャーの実験結果が学術誌「ネイチャー」に載ったことで
モーツァルト効果は大いに話題になります。
そりゃあ誰だって賢くなりたいですしね。
それだけなら良かったのですが、
モーツァルト効果は次第にオーバーに宣伝されるようになり、関連の本やらCDやらが発売されます。
「頭が良くなるモーツァルト」なんていうダイレクトなネーミングのCDも多数。
論文に書かれていないことが宣伝されたり、
糖尿病やアレルギーにも効果があるなどという説もでてきます。
こうなってくるとさすがに歯止めをかけた方が良い気がしますね。
しかし効果に疑問が持たれ始めます
聴くだけで頭が良くなると話題になったモーツァルトの音楽ですが、
そのうちその効果が怪しまれるようになってきます。
というか、元々疑問に思う人も多かったんですね。
そして何人かの学者が疑問を検証する実験を行います。
・モーツァルト以外の音楽ではこの効果は現れないのか?
1999年、ハーバード大学のクリストファー・チャビスがこの疑問に対する実験を行いました。
その結果、効果はモーツァルトじゃ無くても現れるということが分かりました。
さらに、アパラチア州立大学のケネス・スティールらが実験・検証したところ、
1993年のラウシャーが行った実験結果は再現できなかったという結果も現れました。
モーツァルトの音楽がどうこうという話ではなく、
聴く人がその音楽を聴いてどう感じるかによって結果が左右されるということ・・・。。
要するに、実験する度にどうにでもなりうる結果ということですね(´・ω・`)
・空間認知以外の成績は?
そもそもラウシャーの実験によるとモーツァルトを聴くことで
空間認知の能力は上がったということに留まっています。
実際、別の学者のさらなる実験によると、
パターン分析や言語能力など、左脳のが司る分野では向上は見られていません。
しかも、頼みの綱の空間認知能力の向上も実は少ないという結果に・・・。
尾ひれがつくとはこのことですね。
2007年、ドイツ教育省は検討を重ねた結果、
ついに「モーツァルト効果は存在しない」と発表しました。
(ノ∀`)アチャー
結局は1993年のラウシャーの実験結果が、
関連業者の販売戦略に載せられて大げさに広まったというのが実際のところかと。
モーツァルト好きの私としては、頭が良くなるとイイナと淡~い期待を持ってたんですが・・・。
まあ海の向こうの実験よりも、現実に私は毎朝モーツァルトを聴いているのに
特に頭が良くなったという感覚はないのを身を持って体験しています(´・ω・`)
それでもリラックス効果は期待できそう
以上の様に頭の良さへの効果は残念な感じですが、
心や精神に好影響を与えるリラックス効果は期待できそうです。
モーツァルトの音楽には「1/fゆらぎ」というパターンが多く含まれています。
この「1/fゆらぎ」はリラックス効果があり、
雨の音やホタルの光、ろうそくの炎などの自然界のものに多く見られる現象です。
「1/fゆらぎ」により、心や精神に好影響を与えることが、結局は脳へも良い影響を与え、
結果、勉強がはかどったり成績が良くなったりすることは多少はありそうです。
私の感覚としては、モーツァルトの曲は気分だけでなく、
その場の空間の「気」みたいなものを清々しく変えてしまう力があると感じています。
ということで、モーツァルト効果は直接的に頭を良くするということはなさそうですが、
リラックス効果を通して頭に良い影響を与える可能性はあります。
勉強をする時など、とりあえず流しておけば無駄にはならないんじゃないかと思いますが、
「モーツァルトを流せば大学に合格!」
「宅建に受かるためにモーツァルトを流そう!」
みたいに過度な期待はしない方が良さそうですね。
というより、そういうのを抜きにしてもモーツァルトの曲は優雅で美しく、
リフレッシュや空間づくりに持ってこいなので、
ガッカリせずにぜひとも味わってみることをおすすめします(・∀・)
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