みなさんは、鏡開きといえば、どういうものを思い浮かべますか?
お正月に飾った鏡餅を食べる「鏡開き」?
結婚式などおめでたいときに、酒樽を割る「鏡開き」?
思えば、両方とも同じ言葉を使っていますよね。
なぜなのでしょうか?
ちょっと不思議に感じたので今回はそんな「鏡開き」について
鏡餅・酒樽、それぞれの鏡開きの違いは?
鏡開きの言葉の由来は?
鏡開きでの注意点は?
を、調べてみました。
鏡餅・酒樽の鏡開きの違いは?
鏡餅での鏡開き
鏡餅での鏡開きは、お正月、歳神様の依り代として使われた鏡餅を割り、
それをお雑煮やお汁粉にし食べことで一家の「無病息災」を願うために行われます。
地域により日にちは異なりますが、松の内の1月7日までは歳神様が鏡餅に宿ると言われています。
その歳神様が宿ったお餅には、歳神様が帰ったあとも神の加護があるといわれています。
そして神の加護がある鏡餅を、1月11日、松の内が明けた日に木槌を使いたたき割り、
鏡餅を開きいただく事でお正月に一区切りをつけるのです。
酒樽での鏡開き
酒樽での鏡開きは、日本酒の入った酒樽の蓋を叩き割り、
新たな出発に幸福や健康を祈り、酒樽のお酒を参列者にふるまわれます。
鏡開きの鏡は「円満」。
開きは「末広がり」と、縁起のいい意味が込められています。
そして、酒樽の中に入っている日本酒。
この日本酒も、農耕民族の日本人にとって特別な存在の米から作られたお酒なので、
神聖なものとされています。
神聖な日本酒を、神事に供えられ、祈願が終わったあとに飲み交わすことで、
神様から力を分けてもらえ祈願が成就すると言われています。
どちらの「鏡開き」も、お米から作られた物をお供えした後に、健康や成功を祈るものなのですね。
では、なぜ両方とも「割って」いただくものなのに「鏡開き」というのでしょうか?
鏡開きの言葉の由来は?
鏡割りではなく鏡開きと呼ばれるのは、割るという言葉は「忌み」という意味をもち、
縁起のいい言葉ではないからだそうです。
酒樽を使う鏡開きは晴れの日に行われる事が多いと思いますが、
特に結婚式などに「割る」という言葉は離婚を連想させてしまい、縁起がいいものではありません。
また、鏡餅を使う鏡開きでも、神様から力を分けて頂いているのに
それを割るというのも似つかわしくありません。
この事から、末広がりという意味を持つ「開く」という言葉が使われているそうです。
結婚式などのスピーチをする際には、
「割る」という言葉を使わないように注意していきたいですね。
では、この他に鏡開きには注意することはあるのでしょうか?
鏡開きでの注意点は?
鏡餅の場合
松の内の期間に鏡餅も食べるのは避けた方がいいそうです。
固くなり過ぎないうちに…
カビがはえる前に…と、思い早く食べてしまいたいですが、松の内は神様がお帰りになられる前です。
神様が依り代として鏡餅にいる間は、
神様の居場所を奪ってしまうことになるのであまりいいものではありません。
また、鏡餅をいただく時は包丁などの刃物を使い調理をするのは避けた方がいいそうです。
昔、包丁は切腹などに使用されていました。
このため、生きる力を分けてもらえる鏡餅に刃物を使い断ち切ってしまうのは縁起がよくありません。
調理する際には、木槌や手で割って食べるのがいいと言われています。
固くなり過ぎてしまった場合、お餅を少し温めてから割ると調理しやすいと思います。
酒樽の場合
結婚式など鏡開きをするとき、レンタルセットを使う場合はいいのですが
個人で準備する時には少し注意が必要です。
お酒の量は、参加者と釣り合っているか。
酒樽の蓋は、叩いた時にちゃんと割れるか。
強く叩きすぎて、お酒が服に飛ばないように注意しましょう。
鏡開きには、ひとつひとつ縁起のいい言葉や意味が込められていて、日本人らしいなぁと感じました。
次の鏡開きから、無病息災を願い行っていきたいと思いました。
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